瞳の中には君が居て



あたしは航輝に言われ、仕方なく自己紹介をはじめた。

「………空星心…です。」
「…………………」

シンとするまわり。
声を発したのはリクだった。

「……え…続きは?」
「………ぇ…ない…」

あたしが首を傾げると

「先輩は綺麗で優しいデショ!」

って海斗が言った。

「………そんなこと…そんなこと、ないよ…冷たい人間なの…」


あたしは俯きながら言った。


「先輩、しってる?」
「……………え…?」

にっと得意げな表情で海斗が言う。


「本当に冷たいヤツは自分から冷たいって言わないんだ。だから先輩は冷たくなんかないよ。」

そんなことを言う海斗はちょっと得意そう。

「………………海斗…」
「…先輩が名前よんでくれたっ」

海斗は嬉しそうに笑った。



海斗…
海斗は、はじめて会ったときから
優しかったね。
ありがとう。
あたしの傍で
いつも応援してくれて
ありがとう。
あたしも海斗の力になりたいよ―…




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