瞳の中には君が居て
「あぁ~腹減ったなぁ~」
「でも、オレ金ない。」
「おれもっ」
あたしたちは大きな声ではなしながら店に入った。
店にいたひとたちはあたしたちをみるとそそくさと出でいった。
席につくと、サングラスをかけたひとたちが真っ直ぐあたしたちのところにきたかとおもうと、机に足をガタンと置いて睨みつけた。
「お~、お~。テメエら。」
怖い三人組。
するとひとりがあたしをみて言った。
「おっ、先輩!空星さんいますぜっ」
先輩、とよばれたひとはあたしをみて顔をゆるめる。
「心ちゃ~んっ、何でこんな島きちゃったのぉ~?」
………東京からきたヤツらか…
「おれ、ちょー心ちゃんのファンだったんだよお~」
あたしは黙ってそいつらを睨みつけた。
「……………………」
「やっばい、その強気な瞳、そそるね~」
「思わず壊したくなっちまう。」
そういってあたしに手をのばし、イスからたたせた。
「…………や…っ…」
あたしは精一杯腕を振りほどこうとしたが男の力には敵わず、ビクともしない。
ここで竜心がどこまで気をつけてあたしに触れていたかに気付いた。
「へぇ~、有名人ってこんな顔でこんな声でいやがるんだぁ~。勉強になっちゃったよお~。やっぱり心ちゃんは可愛いね♪」
「……………っ……」
あたしが嫌がり、ジタバタしだしたとき。
「……………触んなや……」
低く、響いた声。
「……………ゅき………?」
「…………誰や……お前ら……」
震えるような声で言うゆき。
それに続き、リクも声をあげる。
「心に触んなよ。お前らごときが。」
ひきつづいて航輝、シンヤと声をあげていく。
「そ~だよ!心ちゃんに触んな!」
「…気分悪くなった……」
海斗はあたしをグラサンのやつから引きはがし、傍にいる。
「…………海斗……」
「なーに、ゆき。」
「………………心を…頼んだ。」
「…………了解…」
了解のことばを同時にゆきたちはグラサンおとこたちにとびかかった。