瞳の中には君が居て
「…………………!!」
あたしの顔が強張ったのがわかった。
「先輩っ、出よう!」
海斗があたしの肩を抱いて、店を出ようとした。
だけどあたしの足は動かなくて。
「………ゃ…め……て…」
「先輩!」
急かすようにあたしをよぶ海斗。
激しさを増す乱闘。
「やめなさい!!」
気付いたらあたしは大きな声で叫んでいた。
みんな喧嘩をやめてあたしをみる。
「…先輩?」
「………やめて……」
だんだん小さくなるあたしの声。
「………………心…」
ゆきがあたしをみた。
「……ゆき…ありがとう、怒ってくれて……だけど……こんなのは、違う。間違ってるよ……」
あたしはスカートをぎゅっとシワになるまで握りしめた。