瞳の中には君が居て



「………………………」



そんなあたしをゆきは黙ってみていたが、やがてもっていた相手の胸倉をはなした。


「……………心。」


ふわっとあたしを引っ張るゆき。

「………………行くで…シンヤ、航輝、リク。」

「…………ゆ…き…」

「……………また今度でえぇやろ…行こうや。」


ゆきはあたしの肩を抱いて店をあとにしようとする。

「まてよ!!」

ゆきに向かってグラサンが叫んだ。

「……………何や?」


ゆきのあまりの冷たさにグラサンは一瞬つまらせ、イスをけってでていった。




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