瞳の中には君が居て



「心、おはよう。」


わかってるよ、
何を言われるか。


「………みくちゃん……」


あたしが振り向くと
怖い顔をした未来がたっていた。


「……場所、変えよっか。」





あたしたちがきたのは日当たりのいい中庭。

未来は近くのベンチまで行くと

「……座ったら?」

と、あたしに声をかけた。

「…………………」


あたしは無言のまま、ベンチに腰掛けた。

「心、どういうこと?」
「…………………」

未来にそう聞かれても、あたしは黙っていた。

「きのう、転校生と歩いていくのをみたっていうひとが何人もいるんだけど。」
「………………………」

再び長い沈黙が訪れる。





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