瞳の中には君が居て
「心、何か言って。」
「…………………」
「黙ってちゃわかんないの。」
そう言われても、あたしは何も答えなかった。
ゆきたちは関係ない。
責められるのはあたしだけでいい。
「……じゃさ、あたしが勝手にはなすからきいてね?」
「…………………?」
「竜心さ、入学式の日に一目惚れしたらしくてさ。」
未来はいきなり竜心の過去をはなしはじめる。
「だけどそのコはなかなか心を開かないコで…初めて名前を呼ばれたとき、すごく喜んでた。俺の名前をよんでくれた!って…」
あたしは素直に未来のはなしを聞いていた。
「だけど…そのコは自分でも気付いてなかったみたいだけど…大切に想ってるひとがいたの。竜心とは正反対のクールで大人で無口のひと。好きかはわかんなかったけど…そのコは大切に想ってた。それを竜心は気付いてた。」
未来はゆっくりと…
竜心の過去を暴露していった。
あたしは聞いていいのか不安になって声をかけた。
「……………み……」
「聞いて。」
だけどあたしの声は遮られ、未来ははなしを続けていく。