瞳の中には君が居て



「違うの、心。信用なんて…心がこころを開けば誰でも信じれるわ。」

「…………じゃあ何…」

あたしはイライラしながら言った。
未来はかなしそうに目を伏せ、ポツリと言った。

「…支えたいと…」
「……………え…?」
「…支えたいと…思える人。自分がどんなに辛くても…そのひとだけは幸せになってほしいと…そう、思える人なんだよ…」


支えたい人。
支えたいと思える人。
自分より幸せになってほしいと…


そう思える人……



「…………………」
「……心…あたしは……」

未来は辛そうに目を細め…
だけど決意したようにあたしをみつめると口をひらいた。



「…あたし…竜心が好きなの……」





………心のどこかで、

ぱりんと壊れる音がした。

あたしの大切な…
支えてくれるひとが…
奪われる。







そう、
竜心を支えたいと
想っているひとに―…




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