瞳の中には君が居て



「………お前…モテんなぁー」


半ばあきれたようにリクが言う。


「………モデルやってたからでしょ…」
「……………え、何、モデルやってんの?」
「………え……?…………あ。」

しまった。
ここではモデルのこと、
秘密にしてたんだった。

「……………あー……うん…」


あたしはめんどくさそうに答えた。


「………ここじゃ見かけねーよ?」

「…………いや……コンビニにあったよ…」

「ウッソ、まじで。」


リクは心底驚いたように言った。

「………………リク、鈍感?」
「………………だって、雑誌みねーし。」
「………………テレビにも出てたよ………」
「ウッソ!」

となりで聞いてたのか、海斗が言う。


「先輩、モデルだったんですか!?」
「…うん、まあね…」
「えっ、心ちゃんがモデル!?」

はなしはとなりどなりに広まっていって。
結局全員が知ってしまった。

「ちょ!コンビニ!」


最初に言いはじめたのは航輝だ。


「……やー…恥ずかしいから…」

「まあまあいいじゃん。」

なだめるように、リクが言う。
そしてシンヤまでもが

「………………俺もみてみたい…」


と言う始末だった。


あたしは観念してコンビニに行った。




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