瞳の中には君が居て



「え?何が?」

ゆきの言葉を聞いて、海斗が聞き返す。

「…………“モデル”の心をしらんなんて、あるわけないやろ…」


ゆきはカバンから飴玉を取り出すと口のなかにいれた。

「えっ、ゆきしってたの!?」
「………………当たり前や。つーか知らんやつがおるほうがびっくりやわ」

それもそうだ。
東京にいたころのあたしは雑誌やドラマ、バラエティーまでも出ていたのだから。
知らないほうが珍しい。
この島が相当遅れているのか、彼らが遅れているのか…
はたしてどちらなのだろうか。



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