瞳の中には君が居て
「何か飲む?」
「………いらない。」
「そう。」
おばあちゃんはあたしの前に腰をおろした。
「……………あたしの部屋どこ。」
「そうだったわね、こっちよ。いらっしゃい。」
おばあちゃんはあたしの態度にすこしも怒らず、それどころかにこにこして言った。
あたしはおばあちゃんのあとに黙ってついていく
この家には2階がなく、平家だった。
1番おくの部屋の扉を開き、
「ここよ。」
そう言われて、あたしははじめてはじめて顔をあげた。
「…………!」
その部屋をみて、あたしは驚く。
「どう?心ちゃんも高校生だからシンプルに白と黒でまとめてみたのよ」
あたしの部屋はカーテンが真っ白でふわふわのカーペットが黒。他にも、テーブルやベッド、本だな、ソファーにテレビ…
「………どうして……」
「部屋は洋風のほうがいいと思って。リフォームしてもらったの。」
その部屋は“あたしのためだけの部屋”だった。
「心ちゃんも高校生でしょう?だからシンプルのほうが…」
おばあちゃんの心がうれしかった。
あたしは涙を流した。