瞳の中には君が居て



「……穂積………ゆき…」

「…………先輩?穂積ゆきって誰?」


穂積ゆきは…神原ゆきみたいなひとよ…

顔も声もなにもかも、
似ているんだよ…



違うところは、仲間とツルむこと。
不良。
関西弁。


「……………ゆき…」
「………………何。」

ゆきの目を見つめながらよぶ。
こうして見ていると、本当に穂積ゆきがいるみたいだ。
別人なのだけれど。

「……………ゆきの、家族関係は……?」
「……………俺と…母さん、父さん、兄貴…や。」
「………………そう…」

穂積ゆきではない。
なのに。
なのに、どうしてあたしは
こんなにあなたに惹かれるの?




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