瞳の中には君が居て
「先輩!」
次の日登校すると海斗が来た。
「………海斗…」
「きのうだいじょぶだった?」
「…うん、ごめんね」
あたしの答えを聞くと、海斗は安心したように微笑んだ。
そして一緒に校舎に入っていく。
「心!!」
怒鳴るような声にあたしはおもわずビクッとする。
……予想は、していたのだけれど。
「…………みくちゃん」
「……誰?先輩、友達?」
海斗は怒鳴る未来が気にくわなかったのか、海斗は未来をにらんだ。
「……うん」
「心!何考えてんの!?」
……いまは。
いまはみくちゃんとしゃべりたくない。
関わってほしくない。
あたしと竜心のことだから。
「………いこっか…海斗」
「えっ!?いいの?」
あたしは未来を無視し、校舎へと入っていく。
「…どうせ、竜心のことだから」
「……先輩は、竜心先輩のことが好きじゃないの……?」
……ねえ、海斗。
どうしてそんなかなしそうなかおをするの?
なにがあったの?
「……ちがうよ」
あたしは海斗にすべてをはなす覚悟で言った。