瞳の中には君が居て
二時間後。
俺は桃を迎えに桃の家に向かった。
「……海くん…お待たせ!」
「………………」
中から出てきた桃に俺は何も言えなかった。
桃は普段しばっている髪をおろし、ふんわりと巻いていた。
真っ白なドレスみたいなワンピースにシンデレラみたいなガラスの靴。
可愛らしい小さいバッグとくびもとにきれいにまかれてある、ピンクのファー。
そして極めつけはナチュラルメイクにグロスを塗ったぷるぷるのくちびる。
俺を見つめる潤んだ瞳。
……可愛すぎだ…
「…………ぁ…」
「…や…やっぱり…おかしいかなぁ…っ」
何も言えない俺をみて桃は慌てだした。
「……ぇっ…ぇっとあたし…着替えて…」
それでも何も言わない俺をみて勘違いしたのか、桃は家に入ろうとした。
俺は慌て桃の腕をつかむ。
「……っ……か…」
「………海くん……?」
「……か…っ…可愛いって…!」
俺は顔を真っ赤にしながら言った。
そんな俺をみた桃は顔を赤らめて小さくありがとうって言って笑った。