瞳の中には君が居て



「……………ん」


ふわふわ、ふわふわ…
柔らかいおふとん…



「先輩、起きて…」


海斗の優しい声がする。
ぎゅっとあたしの手をにぎる海斗の大きな手。


「……ごめんね…先輩……」


そう言ってあたしの頭を撫でた。


「…………疑って、ごめん」


あたしはまだ夢心地の中。
海斗の声を聞いた。
海斗の腕のなかで…
あたしは泣いてた。
海斗の泣き声を…聞いてた。



ごめんね、海斗―…



あたしのために、
過去を思い出させてごめん…




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