瞳の中には君が居て



「あがったよ!」
「先輩…ちょっときて」


あたしが笑顔で言うと、海斗はあたしをソファーによんだ。


「………?」


あたしは海斗の横に腰をおろす。


待ってて、と言って海斗はキッチンからふたつのカップを持ってきた。


「コーヒーだけど…大丈夫?」
「うん!」


あたしはカップをひとつ、受け取ってひとくち飲んだ。


「先輩……俺は、先輩を信じるよ…」

「…………え?」


「俺、先輩の秘密を守り通す」


海斗はあたしに近付いてまだ濡れているあたしの髪を撫でた。


「…先輩の…先輩の…愛してるひとは竜心先輩じゃないこと…」

びくりとあたしの肩が震える。

「………………」
「ゆきと穂積…迷ってること」
「………………」


あたしの、秘密。
彼氏を愛してないこと。


「秘密にするよ。俺は、先輩の味方だよ」


こんなあたしを許してくれますか――?



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