瞳の中には君が居て
あたしはそういって笑ったゆきにどうしようもなく不安を感じて、ゆきの服のすそをぎゅっと握ってあたしよりも背の高いゆきを見つめる。
「………心…?」
「……居なくなったら…嫌だよ…」
「……………!」
あたしはいつか儚く散ってしまいそうなゆきに言った。
不安で…
不安で不安で不安で。
まえの“ゆき”みたいに消えてしまったら…
あたしは今度こそ立ち直れないよ。
だから…
傍に居てね?
こんなこと、言う権利はあたしにはないから…
心のなかに秘めておくね。
「…………心……大丈夫やよ、俺は居なくならへんよ」
「…………………っ」
あたしの心を見透かしたように、アナタは言った。
微笑むアナタは何もかもすべて抱え込む間違った優しさ。
そして……優しい嘘。