瞳の中には君が居て



ゆき…
すべてひとりで抱え込んじゃだめなんだよ。
優しい嘘なんていらないの。
真実がほしい。


はなしてほしい。


何を………抱えてんの…



「……………ゆき」



あたしは息を吸い込む。
真実を聞きたくて。


「……………穂積、ゆき…」
「……………………」



あたしは思いきって言う。

「…………穂積、ゆき。だよ、ね……?」



逃げないように瞳を捕らえて、手を握る。

あたしが見つめるとゆきもあたしを見つめる。
その瞳には動揺の色どころか、ひとつの焦りも見つけられない。


まるでこうなることを予想していたように。


あたしをゆっくり見据える。




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