瞳の中には君が居て



ゆっくりあたしから目を逸らして耳打ちをした。


「…………出ようや」


ゆきはバイクの鍵と携帯と財布を持って海斗たちに一言いうと部屋を出た。


あたしは残りのオレンジジュースをゆっくりと飲んで真実を聞く覚悟を決めると、海斗にこっそり近付いた。


「………海斗」
「ん?どしたの、先輩」


チューハイをのんでほろ酔い気味の海斗。


どうやって買ったんだろ…?


「あたし、気分悪いから帰るね」
「えっ、嘘。おくろうか?」
「ううん、大丈夫」


あたしは笑顔をみせた。



「…………でも…」
「……ゆきはー?」


酔っ払ってあたしに絡むリク。

その一言で海斗はすべてを悟ったようだった。


「リク、大丈夫?」


あたしはそんな海斗を見て見ぬふりをしてキッチンに行くと、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してコップに注ぐ。


よく冷えたミネラルウォーター。

ついでに人数分だして注いでおいた。



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