瞳の中には君が居て
「………リク、水だよ」
「…………ありがと」
あたしはコップいっぱいに注いだミネラルウォーターを差し出した。
「……じゃ、海斗。あたし行くね」
あたしは海斗にすこし笑って言った。
「……先輩」
「……………」
海斗が呼びかけても、あたしは振り向かない。
振り向いたら、海斗に甘えてしまうとおもったから。
「…俺は…先輩の、味方だよ…」
後ろできこえた声。
振り向いちゃいそうになったことは内緒。
あたしは黙って部屋から出た――