瞳の中には君が居て
カランカランっ!
「……え…心…!?どうしたの……」
「…………ゆ……き…」
「………ゆき?」
あたしが奥の扉をみると…
「…………え、心?」
驚いたようにゆきが居た。
「…………っき…!」
ゆき、居た。
居たよ……
あたしは体当たりするようにしてゆきに抱き着いた。
「……携帯…!繋がんなかった…!」
「……………あ、悪い。携帯家やねん。今日忘れた」
あたしを見下ろしながらゆきは言う。
「……学校、辞めたって……!」
「………いずれ、辞めるつもりやった。生活費、稼がなあかんねん」
淡々とした口調で言うゆき。
「一言、一言いってよ…!」
「…………あいつらに言ったら心配するやろ、思って」
「…………どうして、どうして全部ひとりで決めちゃうの!?」
あたしはゆきの胸を叩いて、泣きながら言う。
「…………何のために、仲間がいるの!?ゆきにとって、仲間って何!?」
あたしは、こんなこと言う権利ない。
でも、止まらなかった。
「……どうして!どうして頼ってくれないの…っ…」
悲しかった。
あなたが仲間を信用してないっておもったから。
こわかった。
あなたがまた居なくなると思ったから。