瞳の中には君が居て



あたしが洗面所へいくとおばあちゃんは洗濯をしていた。

「何してるの?」
「……………?」

あたしはおばあちゃんが言ってる意味がわからなくて首を傾げた。

「朝ごはん!食べるわよ」

そう言って洗濯機をまわすと、洗面所を出ていった。

「…………?」

あたしがダイニングに行くと、おばあちゃんは笑顔で待っていた。

「心ちゃん!いっしょに食べましょう。」

「…………これ………」

あたしは目を見開き、テーブルをみる。

テーブルにはご飯にみそ汁、納豆に焼き魚と朝食が並んでいた。


「…………ぁ………」


あたしは声も出ず、それを見つめる。

「…ここが…」
「………え……」
「……ここが心ちゃんの居場所なのよ。」

おばあちゃんはにっこり笑って言った。

「わたしには心ちゃんが必要よ。」

そう言っておばあちゃんは朝食を食べはじめた。




< 19 / 193 >

この作品をシェア

pagetop