瞳の中には君が居て
「……ごちそうさま、でした……」
あたしははしをかたんと置いた。
「…食べてくれてありがとうね。」
「……え…っ…」
こんなおいしいもの、作ってくれたら食べるの当たり前なのに。
あたしはそうおもった。
なのに。
「……うん………」
あたしはそれだけしか言えなかった。
あたしは身支度を整えて家を出た。
道は当たり一面さくらが舞っていた。
ピンク色の花びら。
……かわいそう……
何故かあたしはそうおもった。