瞳の中には君が居て



「………え…っ!?」

おばあちゃんはあたしの顔を見つめた。

「あんなの…もう二度と食べたくない!!」


あたしは勝手に怒鳴って自分の部屋へ走った。

お母さんの…あの女が使ったハンバーグの味…

まだこんなに覚えてたんだ…!


『お母さぁーん…お腹、すいたよお~!うわああんっ』

『うるさいわね!』


やめて!


『もうインスタントないじゃないの…!』


思い出したくない…


『めんどくさいわね…』


あたしを捨てた女。


『作ったんだから、泣き止めよ!!』


ハンバーグを出した女。


『おいしぃ~』


笑顔で食べるあたし。


『…………そう?』


ちょっと微笑んだ…女。



お母さん……………




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