瞳の中には君が居て
…
……
…………
「…もう大丈夫だよ。」
優しくあたしの頭を撫でる手。
「…泣かないで…」
「……りゅ…しん…っ」
あたしは無意識に竜心に電話をしていたようだ。
だから竜心は授業を抜け出してまでここにいる。
「…ごめ…っ…竜心…」
「いいよ!…はやく泣き止んで…?」
竜心はあたしの涙を学ランの袖でぐいっとふく。
「…空星さん…大丈夫だよ。おばあさん、元気になるからね。」
竜心はあたしの頭を撫でながら言った。
竜心はこう見えても医者になりたいようで、頭がいいらしい。
だからこういう時もテキパキと対応してくれた。
普段の彼からは想像も出来ない姿だ。
「…ありがとう……」
「…うん……!」
竜心は笑顔になって。
あたしも思わず笑顔になった。