瞳の中には君が居て



「さあ、心ちゃん。朝食にしましょう。今日は学校行くんでしょう?」

あたしが思い切り泣いて少し落ち着いてきた頃、おばあちゃんは言った。

「………うん…」

あたしは泣いたことが今更恥ずかしくなった。

「…ふふっ。心ちゃん、ありがとう…」

「えっ?」

「朝食、いまから作るわね。心ちゃん、お風呂入ってらっしゃい。スッキリするわ。」

おばあちゃんは笑顔で言った。

「…うん…っ」

だからあたしも思わず笑顔になった。




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