瞳の中には君が居て



この島にきて、はじめて汚いと思った瞬間…あたしは屋上に走りはじめていた。


息を落ち着かせようとしてもなかなか落ち着かない。


それどころかひどくなっていった。

「…………っ……!!」


苦しくて苦しくて…
あたしは屋上の床に倒れ込んだ。


「……………ん……?」


どこから声がした。


「………!…空星…?」


屋上のハシゴの登った屋根の上に穂積ゆきがいた。

「……っ…ほ…っ…づみ…ゆ…ごほっ」

何かの異変に気付いた穂積ゆきはハシゴを使わずにジャンプしてあたしのところにやってきた。


「………空星?……空星………!」


穂積ゆきの必死な声を最後にあたしの記憶はぷつんと途絶えた―…




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