瞳の中には君が居て
「………コラ…心…」
「ん~…?」
ぺちぺちほっぺを誰かが叩く。
「……痛い~…」
「…………もう放課後…」
目を開けながらあたしは笑顔をつくった。
「…おはよう…ゆきっ」
「………おはよう。」
ゆきはあたしをみて微笑んでくれた。
「…………そうだ…心。」
あたしはベッドから出て、乱れた髪やシワになったスカートを直していく。
「……………これ。」
「…………?」
ゆきがあたしに渡したのは茶色い紙袋。
あたしはそれを受け取って、中身をみる。
だけど何も入っていなかった。
「………………?」
ますますわからなくなっていくあたし。
「……お前それ、次苦しくなったときに…こうやって…」
ゆきはあたしがもっていた茶色い紙袋を取ってあたしの口元に持っていく。
「…………こうして…吸って?」
「………………?…うん。」
あたしが不思議そうな顔をして返事すると、ゆきは微笑んだ。
「………じゃ…いこっか…」
そういってゆきは保健室を出ていくゆき。