瞳の中には君が居て
あたしはしばらくして、教室に戻った。
ガラッ
教室の扉を開けると、さっき説教した、教師がいた。
「あなた…!星空心さんね!席につきなさい。」
「…………」
あたしは無言のまま、カバンがおいてある、席へと座る。
そう、あたしの名前は、星空心。(ホシソラ ココロ)
全然あたしに似合わない名前。
星空のように綺麗じゃないし、心なんて、いまのあたしにはない。
「もうひとりいるはずなんだけど…」
あたしのとなりは未だ空席だった。
「全くもう…!何してるのよ…」
担任が言いおわるまえに扉がひらいた。
そとにいたのは今朝みた黒髪のひとだった。
「…穂積ゆき。」
そのひとはそれだけつぶやき、あたしとなりに腰をおろすと、窓の外をみていた。
「やっと揃ったわね。穂積くん、星空さん、もうちょっと早くきなさい」
もちろんあたしはシカトした。
穂積ゆきも何も答えなかった。