瞳の中には君が居て



お母さんと認めた瞬間、恐怖があたしを襲う。

ガタガタとふるえるからだ。

フラッシュバックする記憶。


雷が鳴る―…
豪雨のあの日。




すべてがあの日にそっくりで。




「………あぁ……」


「…………心…!」



あたしはゆきのちょっと大きな声に我に返った。


「……あ…っ…あ…たし…っ…ちょっとトイレ…行ってくるからっ…」


あたしはそういって教室を飛び出した。





電気の付いている廊下。




だけどそれも…





稲妻が走った途端…




消えた。





< 72 / 193 >

この作品をシェア

pagetop