瞳の中には君が居て



「何よ…ちょっと遊んだだけじゃない…」

「いや…いやあああ…」


フッと不気味にお母さんは笑った。
カツカツとあたしに近付いてくる。

「……や…っ…いや…こないで…!」

あたしは後ずさる。
おびえるあたしをおもしろそうに笑いながらお母さんはあたしの髪の毛を引っ張った。


「…ゃぁ…っ…!!」
「……アタシねえ…ここまでくんのに…随分金使ったのよねえっ!」

ギリギリとあたしの髪を強く引っ張っていく。


「…ぁ…っ!…ああ…!」


あまりの痛さに声も出ないあたし。


それをみてお母さんはフッと笑ったかとおもうと恐ろしい形相になった。


「金。」
「……ぅ……ぁ……っ…」

あたしは髪の毛をかばいながら痛みに顔を歪める。


「金!!」
「…ん……い…っ…たい!」
「…フン。」


お母さんはあたしの顔を床めがけて投げつけた。


ドンッと打ち付けられるあたしの顔面。
でもあたしはそれよりも髪の痛みから解放され、ホッとしていた。




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