瞳の中には君が居て
そしてお母さんはもう一度、金!と言った。
「…ない…もうないよ…ごめんね…お母さん…」
「は!?なかったら作れよ!!」
「……むりだよぉ………」
あたしは恐さのあまり泣き出した。
お母さんはポケットから何かを布にまいたものを
取り出した。
「…お…かあさん……」
「……心…アタシねぇ…アンタが嫌いなのは…」
布をするすると取っていく。
そして布に包んであったものがあらわになった瞬間…
「偽善者ぶってるとこよ!!」
お母さんはそれをあたしめがけて振り上げた。
ザシュ…
あたしは腕で顔を守った。
そう、それとは…ナイフだった。