瞳の中には君が居て



二年生の玄関はうらをまわっていく。
中庭にさしかかったとき…

「………心。」
「………ん……?」


竜心は突然立ち止まって、ぎゅっとあたしの手を握った。


「……心は………」


ザア…っと
風が吹く音がした。



さくらが舞う。
砂が舞う。
あたしの長い髪は気持ちよさそうになびく。


「……心は…ずっと俺の傍に居てくれるよな……?」


そんななかみたのは…





みたことのない顔をした、




あなたでした―…



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