瞳の中には君が居て
「こっころー♪」
あたしをよぶ、明るい声。
みなくてもわかる。
「…みくちゃん?」
あたしが心を許しているなかで、唯一の女子。
「教室入ろ♪」
背中をぐいっと押されて入った、初めての教室。
ぎこちない雰囲気のクラスメイト。
始まる、新しい生活。
始まる…ゆきのいない、
新しい生活。
突然姿を消したゆき。
あたしのところにも、
竜心のところにも、
みくちゃんのところにも…
クラスメイト全員のところにも…
ゆきは姿を現さなかった。
消息不明。
ゆきは生きているかさえ…
わからなかった。