もしも…
校舎裏に着くと、いつもの見なれた背中があった。
他には誰もいない。
少しドキドキしながら、その背中に近づく。
弘俊は私に気づいていないみたいだ。
パシっ
雪玉を軽く背中に投げてみる。
「お、やっときたか。お前足おせーなあ。待ちくたびれたぜ。」
「あんたが早すぎ……あ。」
「フッフッフ。気づいたか。」
弘俊の背中しか見ていなかった私。←え
校舎裏の景色なんて全く気にしていなかった。
「う……わぁ。すごー。」
そこには誰かが作ったのであろう雪だるまがいくつもあった。
そしてたくさんの木からつららが垂れ下がっていて、とても綺麗な景色だった。
「すげーよなぁ。まさに芸術!」
「うん。すごい…。」
私がしばらくその景色に見とれていると
「なぁ、俺達も雪だるまつくろーぜ!」
「うん!さんせー!!」