ワタシとアナタとキミ。
本当はこんなこと言いたくない。

私だって、お母さんと一緒に住みたい。

でも、最近は私ですら母のことを拒絶するようになっていった。

だから、どっちにしろ私が出ていくのが正解なんだ。

「今までありがとね。姉ちゃん、もう電車乗らなきゃ行けないから」

涙で智樹の顔がはっきり見えないまま私は背を向けて歩いて行った。

もう、この家にも智樹にも、さようなら。

「姉ちゃん!!」

振り返らずに、立ち止まった。

だって、振り返ったら智樹がいて涙が止まらなくなると思うから。

「姉ちゃん、頑張って!!俺も、頑張るから!!」

・・・振り返らなくても無駄だ。

立ち止まっても涙が溢れ出てくる。
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