ワタシとアナタとキミ。
「智樹もね!!」

私は智樹に背を向けたまま、叫んだ。

本当は、今すぐ戻りたいとこだった。

・・・でも、私は歩いてゆく。

右手の親指を立て、智樹に合図を送った。

きっと私の後ろで、同じように指を立ててくれているだろう。


こんな風景、ドラマで見たことある。

他人事だと思ってたけど、実際私がドラマと同じことをしている。

・・・不思議。

私はもくもくと足を速め、16年間住み慣れた町に別れを告げた。
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