「あれもこれも大掃除。」
断捨離-だんしゃり-


「じゃっ、あとはよろしくね、ダーリンっ」

「んだよそれ、付き合って三年で初めてダーリンて呼ばれたぞ…………」

「いいじゃない、だぁりん!」

彼女は晴れ着姿で部屋を出て行った。

散々荒らされた彼の部屋は大掃除がまだだった。

これから掃除をしなければならないと思うと気が滅入るのだった。

どこから手をつけたらいいのか分からないくらい汚れている彼の部屋。

タバコのやには彼女のものだ。

「ちくしょう……」

彼は頭を乱暴にかきながらマスクをした。

一年分の、いやもしかしたら何年もの間掃除がされていない場所があるに違いない。

それだけの時間を、彼女と一緒にいたのだった。

彼は思う。

「あいつを大掃除してやりたい」と。



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