「あれもこれも大掃除。」

封筒が渡される。

見覚えのあるそれは嫌な予感がしていた。

開けてみると見たくなかった現実があったのだった。

「けいたい未払いでしょー。あははははははははっ!」

「てめえ…………」

「彼女は大切に、だよー。私んちにあったの」

「バイトの連絡とかどーしてくれるんだよ…………」

「で、ヤス何万円くらい持ってるんだっけ?」

「てめえ……」

「今月は大丈夫!」

彼は思うのだった。

これからずっと。ずっとだ。ずっと、彼女のことを大切にしておこうと決めたのだった。

懲りたのだ。

勝てる相手ではない。

「…………俺、厄年なのかな…………」

「違うんじゃない?」

「はぁ……」

「わたしと一緒ならだいじょーぶっ!」

「そう、だよなあ。ははは……」


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