「あれもこれも大掃除。」

ここまでの出来事を振り返ると笑いが出てくる。

いっそ大掃除した方がいいのは本当に彼女の方なのではないか。そう思えてくる。


財布の中身は膨らんでいくが、彼女への想いは涼しくなっていく。

保冷剤でも入っているのではないだろうか。


夕方になった。そろそろ彼女が帰ってくる。

財布の中身は約三十八万円が入っている。

こんなにも財布にお金が入っているのは初めてだ。

彼女はそうでもなかったかもしれない。そう思うと別れ話を切り出す決心ができたのだった。そして。




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