雪のサクラ
「あぁ。それはワシが死んでるからだよ〜」
「……え」
ゆらゆらしながらおじいちゃんは自転車のペダルに右足をかける。
「ケンカせずに仲良くするんじゃよ〜」
「えっ?!ちょっ…!」
そのままどこかへ老人とは思えない驚異的なスピードで走り去ってしまった。
「……どういうこと?」
さっぱり分からない、と言わんばかりに不服そうな顔をしてソラが振り返る。
「……分かんない」
「ふーん」
「……ねぇ」
「……………何」
「なんで怒ってるの…?」