雪のサクラ



「……ホント?」

「………ホントだよ…何度も言わせんな」


冬なのに心が温まる。

トクトク、と規則正しく聞こえるソラの心臓の音は心なしか早く聞こえた。


「帰るぞ」

サッと離された腕を名残惜しく感じながらも不器用に伸ばされた右手を掴む。


「一生一緒にいられますように」

「……なんか言った?」

「んーん。独り言」

「ふーん」



いつまでもいつまでもいつまでも

年をとってもしわくちゃなおばあさんになっても


この愛しい手を握れるように粉雪に願いを込めて




END




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