If not...
初めてのことに戸惑うホープ。
「あっ!」
不意に子供が声を上げた。
「願いを思い付いたの?」
しかし、子供は首を振る。
「違うけど…いいこと思い付いた!ホープの願い足せば、願い事の数、増える!ホープの願い、なに?」
ハッとした。
私の願いを聞かれるなんて…
これも初めてだわ。
だけど…
「言えないわ。」
「どして?」
子供が不思議そうに首を傾げる。
「私は叶える方の立場だもの。自分の願いを言うなんて…。」
そう。
私は願いを叶える側。
願ってはいけないの。
「でも…ホープかわいそう。」
子供がシュンとなる。
「いつまで経っても、ホープの願い叶わない。」
純粋で健気な子。
「いいの。叶わなくて。」
心配してくれただけでも、充分嬉しい。