If not...
しかし、子供は諦めなかった。
「でも、願い1つしかないし…。ホープの願い自分の願いにする!教えて!」
一所懸命な姿。
いつ以来だろう。
心がこんなに揺り動かされるのは…
いいのかな?
私も、願いを言ってみて。
叶えたかった願いを。
そうだ。
あの子供は自分の願いを叶えるだろうし、口に出すぐらいなら…
「私の願いはね…。」
子供は、真剣な目をして聞いてくれてる。
「私の願いは…許して貰うこと。」
意味が分からなかったかな?
首を傾げてる。
「私は、ずっと誰かの願いを叶えてきた。生きてもいないけど、死んでもいない、もどかしい状態で。もう、終わりたいのに…。罰はまだ続くの。この先、何百年も何千年もね。」
私の過去の罪。
償う為に、私は叶えるの。
「どして罰、受けるの?」
私はクスリと笑った。
「少し…昔話をしてもいい?」
こくんと頷いたのを確認して、話し始めた。