If not...
「それからというもの、天使は人々の願いを叶え続けているわ。ちょっと意地悪く…ね。」
子供は悲しそうな目をしていた。
「どれくらい罰、受けてる?」
「もう千年は経ったかな?それでもまだ4千年はあるわね。フフ。」
笑っていないとダメ。
堪え切れない。
「ホープかわいそう。ホープの願い、自分の願いにする!ホープ叶えて!」
「ありがとう。優しい子ね。」
子供の頭を撫でてやりたい。
けど、体のないホープには出来ない。
もどかしい。
「でも、ダメなの。願いの内、1つは叶わないわ。」
「どうして?」
子供は今にも泣き出しそうだ。
悪戯に願いを増やさせるんじゃなかった。
今になって、ホープは自分が決めた意地悪なルールに後悔した。
でも、もう遅い。
「ルールなの。さあ、どの願いを捨てる?」
子供は迷う仕種を見せた。
早く自分の願いを選んで。
変な期待が生まれてしまう。
ホープの思いが伝わったのか、子供が顔を上げた。
さあ、早く言ってしまって。