【短編】いらない人間のころし方【MENS企画】
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私、『白山 白(しろやま しろ)』の母がこの世を去ったのは2ヶ月前の事。
それは突然の訃報だった。
『心臓発作』。
聞かされた説明はそれしか覚えてない。
葬式の際には何度か顔を見た事のある人。
はたまた初めて見る人とが次々と母を偲び線香をあげ、涙を流していってくれた。
その人数は多いのか少ないのか私にはまるでわからないけど、この人達に母は慕われていたというのはよく伝わった。
涙を流す人達は、あらかた悲しみを吐き出すと何故か私の方へと近づいてきて。
「気を落とさず頑張るんだよ」とか
「お父さんと二人きりだけど困った事があったらすぐに相談するんだよ」とか口々に世話をやいてくれた。
それもまた母の人望の賜物かはたまた社交辞令か。
きっと後者なんだろうな。
と思春期のただ中にある私の社会に対する反骨心はそう呟いていた。