【短】ラストからスタートするラブ




「急にごめんな。まさか会えると思ってなくてさ」


人通りの少ない場所に移動すると、先輩が話し始めた。


何だか昔と雰囲気が違う。

落ち着いたっていうか…三年経ってるんだし、当たり前か。


「あー…何から話せばいいんだろ」


首を押さえて困るこの仕草は、相変わらずなんだね。


「別れてから俺な、真希に連絡したんだ。ま、アドレスも番号も変わってたけど」


「え!?」


「つっても、別れてから半年ぐらい経ってたし、俺もタイミング悪かった」


そうだったんだ…。

ビックリした…知らなかったよ。


「そのとき言おうとしてたことは今も変わってなくて、未練タラタラでダサいんだけどな…そんなプライドのせいで三年間苦しんだから、どうしても今日は伝えたい」
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