【短】ラストからスタートするラブ
「真希といろんな話したかったし、いろんなとこに行きたかった」


「あたしは…敬語使いたくなかったです」


「敬語?」


あのとき先輩からの言葉を待つだけじゃなくて、自分から聞けばよかった。

きっと先輩なら笑ってくれたのに。


「彼女になっても敬語なのが嫌で。先輩が敬語止めればって言ってくれるの待ってました。勝手に距離感じてて…」


「まじで?気付かなかった」


「ですよね。今思えば笑っちゃいます」


無理に力無く笑ってみた。


……胸が苦しい。


何もできなかった自分。

どうもしようとしなかった自分。


情けなくて笑うこともできないよ。


「……じゃあさ、今から敬語止めれば?」


「え?」
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