*恋模様*
だって…普通はやさしくするはずなのに、黒木先輩は呆れたように言っていた。
あ~、女の子可哀相だよっ…。
"あの人酷い"と思いながらも会話を聞く。
『だって、好きってその声でいってくれたのに…嘘だったの~?』
『だいたい、言わせたのがいけないんだろ?』
"言わせた"という傷ついた言葉で、女の子は床に座って泣き出した。
それを見て本当に”女が嫌い”と確信する。
『あれが現実なんだ?』
舞はそれを見てニコニコしながら言う。
「…なんか、あたしには無理かも…」
でもあたしは舞と正反対で、逆に怖い先輩だと恐ろしく思った。
怖いなーっと恐ろしく見ていると…黒木先輩とギロッと目が合った。
きっ…!!
やばいかも?!
「…っ!!」
『げっ!ばれてるしっ!!』
舞も気付いて汗がどばっーとでってこなかったのが一斉に出てくる。
彼はあたしたちをみてのそのそと一歩ずづ近づいてくる。
あたし達は、彼を見て何か言われるんじゃないかと恐れながらも後退りする。
彼はいったって、冷静に近づいてくる。
…怖い。
『に、逃げよっ!!』
あたし達がもう壁ぐらいつくぐらいに舞が、もう限界だったのかあたしの手をとって走り出した。
―これから、何があることかも知らずに…。