*恋模様*
自覚と無自覚と本音
翌日。
教室に行って椅子に座る。
けれど舞に呼ばれたのもあたしの耳には聞こえず、頭の中はあの名前が浮かぶ。
『ねぇ、…ねぇってば!』
舞は動悸を見てついに怒鳴った。
「えっ?」
あたしは反応して間抜けな声を上げて聞こえた方に振り向く。
明らかに、顔が真っ赤になっていて相当怒っていたのが分かる。
あたしはそれを見て肩がびくっと反応した。
まさか…。
怒ってないよね?!
『姫乃、気付いてよ!何回も呼んだのに聞いてないし!』
あたしは、
舞が怒るとこは見たことはなく正直びっくりしていた。
何も聞かない動悸に舞は手を組んでそっぽ向いた。
顔が物凄く怒れているモードになっていた舞に目が熱くなる。
何か…悪いよね。
「ごめんね?」
後ろ向きの舞を見て、謝ると。
『まぁ、それでいいけど…』
拗ねる様な顔が振り向いて、舞は又…いつもの顔になった。
『そ、それより!姫乃!アンタ、黒木先輩なにさせたの?!』
あたしの机に手をばんっ!と叩いて真面目にあたしの目を見ていった。
でも、あたしはなんのことは分からない。