いびつなカタチ



誰の声も言葉も音さえも
響かない闇の中


ただもがき のたうちまわり
我を無くして
傷を広げ増やし続けた闇夜


頼りない月明かり辿り
行き着いたのは
貴方の腕の中



影がぼんやり
感触がふわり
継続的な浅い眠りを繰り返す
日々の中で
貴方だけが熱を感じてくれた



届いてほしい想いだけ散り行く
過去の痛みばかりが
歩むスピードを奪うから
我を無くして
嘆きは無謀にも動き続ける


照らさない下弦三日月
答えが見えない
選べない二択


夢が流れる
温もりは微か
怪しくなった思考回路は
曇りガラス同様
貴方だけが必要だと言えない



煙が視界をぼやかすから
貴方の手を離し
伸ばされた彼方の手を…



影がぼんやり
感触がふわり
揺れ動くばかりの不安定な心
戸惑う中で
貴方の温もりが今すぐに欲しい
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